今日から新学期。
下の子が2年生になった。
それだけの話だ。
…なのに、生活は静かに変わる。
これまでの4年間。
幼稚園の送り、そして小学校に上がってからは集合場所までの見守り。
当たり前のように続いていた“任務”が、今日で終わった。
誰に命じられたわけでもない。
だが確かに、毎朝そこにあった役目だ。
それが、ない。
初日の朝――
2階の窓から、二人の背中を見送る。
少し頼もしくなった歩き方に、しみじみとしたものがこみ上げた。
……これでいい。
気づけば、時間が余っている。
妙だな、と思った。
何かを忘れているような感覚。
……いや、違う。
むしろ逆だ。
何も無さすぎて、落ち着かない。
ふと時計を見る。
「出勤時間、過ぎてるか?」
そんなはずはないのに、妙な不安がよぎる。
長く続いた習慣ってのは、
終わったあとに一番、存在感を残すらしい。
